教科書のおもいで

そう言えば、国語の時間。

教科書の評論文は、唐突にまくし立てられた印象の著作ばかりだった気がします。

読んでいてめったに心ひかれなかったなぁ。あんまりおもしろくなかった(笑)。

そもそも、読解力を育むことを狙っているというならそれも大いにアリなんでしょうが、

高校生の時、己の読解力の拙さを棚に上げて思ったことは、

「教科書だからってうまい文章が選りすぐられているわけじゃない」ということ。

SだMさしのエッセイのほうがずっとよっぽど身にしみた気がしていました。

同じ主題で彼が書いたらどんな感じの文章になっていたのかと思うと、

やっぱり、書き手の個性というか、書き手がどれほど読み手のことを気にしているか、って

大切なことなんだと。

「難しい本を読めるようになる」っていうのを成長の指針のように思っていたので、

それはもう、負け惜しみ以外のなにものでもありませんよね。

オトナになった今でも相変わらず言葉の難しい本にはなかなか入り込めません。

でも、難しい主題は多少理解できるようになりました。

難しい主題を読み手に寄り添うように表現するのは容易なことではないけれど、

どんなに難解な主題であっても、

書き方ひとつで、話にスーッと入り込めたっていう経験も少なくありません。

そんな出会いを求めて今日も表紙をめくっていきましょう。

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